駐韓米国大使を激しく嫌う韓国、「日系」もやり玉に
(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
韓国でハリー・ハリス米国大使が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持勢力から激しい非難を浴びるようになった。今や、同大使が日本人の母親をもつ日系アメリカ人であることも糾弾の標的となっている。
ソウルの米国大使館周辺では、12月12日頃から連日のように韓国駐在のハリー・ハリス大使を糾弾する集会が開かれた。集会に参加した、文在寅大統領を支援する左派系の政党員や市民団体の代表たちは、「ハリス大使 斬首コンテスト」を行ったり同大使の肖像画を燃やしたりした。「ハリス野郎のひげを1本ずつ抜いてやろう」「割り箸でハリス野郎に拷問を加えてやる」「爪切りでハリスの口を引き裂いてやる」などという攻撃的な言葉をプラカードに掲げて叫ぶ者もいた。
こうした乱暴なハリス大使叩きは、韓国のメディアだけでなく国際通信社のロイターやロシアの対外ネットメディアによっても詳しく報道された。米国のワシントンの国政の場にもその動きは伝わり、連邦議会などで対韓関係への懸念が改めて深まっている。
文政権支持勢力が激しくハリス大使を非難
ハリー・ハリス氏は2015年から2018年まで太平洋統合軍(現在のインド太平洋軍)司令官を務めた、米国で広く知られる海軍軍人である。同氏は1956年に神奈川県横須賀市で生まれた。父親は在日駐留勤務をしていた米海軍の軍人、母親は日本人だった。78年に米海軍士官学校を卒業し、そのまま一貫して軍務に就き、海軍大将にまで昇進した。「日系米人では米海軍最高位の軍人」と言われ、2018年にはトランプ大統領から韓国駐在大使に任命され同年6月に赴任した。
ハリス大使は率直な言辞でも知られる。ここ数カ月、「文大統領の周辺には、北朝鮮に独特の親近感を示し、脅威をほとんど認識しない人たちが多いようだ」と発言して、文陣営から反発を買っていた。
さらにハリス大使は、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)から離脱しょうとした動きに強い反対を表明した。また、韓国の在韓米軍駐留経費負担を現在の年間約9億ドルから50億ドルほどにまで増やすべきだと韓国側に求めていた。
こうしたハリス大使の言動に強く反発しているのが、韓国の文政権支持勢力のなかでも特に左派の、北朝鮮シンパともされる「国民主権連帯」と「青年党」だ。ハリス大使糾弾の活動は、これら2つの政治組織が中心になって進められてきた。
また今年10月中旬には、同じ親北とされる学生団体「韓国大学生進歩連合」のメンバー十数人がハリス大使の公邸に抗議のためとして侵入し、逮捕された。
韓国政府当局は、治安維持の立場からハリス大使非難の言動に一定の規制を課している。だが、同大使への批判は、文政権を支持する与党の「共に民主党」内でも露骨となってきた。たとえば民主党報道官は「ハリス大使ほど無礼な人間は初めてみた」とまで言明した。また、文大統領の外交安保問題顧問である文正仁氏は、「米国大使館前でハリス大使への直接的な抗議活動を行うのが、最も効果のある対処法だ」と述べた。
「日系」であることが攻撃材料に
ハリス大使を叩く勢力にとって、同大使の母親が日本人で、日本人の血が流れていることは格好の攻撃材料となっている。前述の「青年党」の代表は、「ハリス大使の傲慢さは、朝鮮半島を統治した日本総督のようだ」と「日本」を持ち出した。韓国のメディアも、ハリス大使を「日本の植民地総督のようだ」と非難する。「ハリス大使がGSOMIAの問題で韓国ばかりを非難するのは、日本とのつながりが大きいからだ」とする論評も少なくない。
そうした状況に対して、米韓日の3国に対して客観的な立場にあるロシア社会科学院極東研究所の韓国専門家コンスタンティン・アスモロフ氏は、この12月に、ロシアの英文メディア「新東方展望(NEO)」に次のような内容の記事を寄せた。
「ハリス大使の母親が日本人であることは、同大使の韓国赴任と同時に韓国側のナショナリストたちの間に広まり、怒りを生んだ。韓国には、ハリス氏が日韓関係の諸問題で全面的に日本の立場を支持し、米韓関係でも韓国に米国側の要望を押し付けるのは、彼の日本の血のためだとする非難がある」
(だが)「実際には、ハリス大使は自国政府の政策を忠実に赴任国に伝えているだけだ。その表現方法が軍人らしく率直であるため、韓国側の反発を生んでいるだけの話だ」
こうしてアスモロフ氏は、ハリス大使の外交活動が「日本の血」のために影響を受けているという韓国側の感情的な受け止め方を一蹴した。
韓国の度を越したハリス大使非難は米国にも伝わっている。米国の連邦議会などでは、ソウルでエスカレートするハリス大使叩きへの懸念がすでに表明されている。この問題が、現在揺れている米韓関係をさらに複雑化させる要因となる可能性も生まれてきた。
(※)この12月、ワシントンでの米国側の研究や調査を基に、日本や米国に対する韓国の屈折した態度について報告した書籍『モンスターと化した韓国の奈落』(ビジネス社)を上梓した。本コラムとあわせてお読みいただきたい。
筆者:古森 義久
親のことまで目の敵にする韓国人
韓国にこそ
ヘイトスピーチ禁止条例を作った方がいいのでは?
韓国の過激なデモは、野蛮としか言いようがない。
日本人は決して韓国に近寄ってはならない。
もし、9割の韓国人が良い人でも
1割の日本をよく思っていない人たちのために
嫌な思いをしたり、傷つけられたりする
可能性があるので。
ハリー・ハリス氏について
ハリー・ビンクリー・ハリス・ジュニア(Harry Binkley Harris, Jr. 1956年8月4日 – )は、アメリカ海軍の元軍人、大韓民国駐箚アメリカ合衆国特命全権大使。第24代アメリカ太平洋軍司令官。
アメリカ海軍史上初めてのアジア系(日系)の大将であり、日系アメリカ人としては最高の階級であり、米海軍のP-3C洋上航空哨戒の分野から初めて出た大将である。日本ではハリー・ハリスと表記されることが多い。米海軍の元「Old Goat」(現役の中で最古参の海軍兵学校卒業者)保持者であり、元「グレイ・アウル(英語版)」保持者(現役の中で最古参の海軍飛行士官)。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
皆の反応
韓国を批判しなきゃね。^_^。
でも
なぜそっちでは大使を・・・・